Menu

【厚さ5cm、重量2kg】コアバリューと日本製本技術。究極の融合の裏側

STAFF :  広報X

【厚さ5cm、重量2kg】コアバリューと日本製本技術。究極の融合の裏側

コアバリューブック

2018年10月で創業13年目を迎えたネクステージグループ。
現在8事業の経営多角化を行う中で、グループ全員が共通して持つ「社員として、人としての在り方や考え方」をまとめた社内ツール「コアバリューブック」を、10月1日にリリースしました。


「大切な仲間が大切にし続けられるもの」をコンセプトに、2017年から2018年に在籍した全社員がコアバリューの作成に参加。カラープラン-FSを全面的に採用し、箔押し、抜き、ドイツ装など装丁にこだわった豪華仕様。外装を含め約2kgという、社内ツールとしては異様な製本を担当したのは、都内印刷加工を代表する印刷加工連の各社。


2018年10月現在、「コアバリューブック」は竹尾 青山見本帖店 ショウケース展示「Fine paper,Fine work展 vol.03」でも展示されています。

finepaper-finework

今回は、コアバリューブックのグラフィックデザイナーである大滝翼さんと、当プロジェクトのリーダーを務めた株式会社スープレックス・小林さんの2人に、約1年の制作秘話を伺いました。





―早速ですが、今回、一緒に制作することになった経緯を教えてください。

大滝翼元々、小林くんとは10年来の友人でした。そして去年の10月頃、「コアバリューブックという、うちの会社で一番大切になるものを創りたくて」というお話を僕にくれまして…。


大滝翼

グラフィックデザイナー:大瀧翼さん


スープレックス小林コアバリューブックプロジェクトの責任者を任せていただいたとき、「せっかく創るなら、大切にし続けられる」ものにしたいと考えていて。そのためには、製本にもこだわりを持って創れるデザイナーの方と一緒にプロジェクトを進めたいと思ったんです。
そこで、パッと思い浮かんだのが大瀧さんでした。


スープレックス小林

プロジェクトリーダー:株式会社スープレックス 小林さん


大滝翼話を持ってきてくれたときも、そういう風に言ってくれて、本当にうれしかったです!「ぜひやらせてください!!」と即答しましたね。(笑)
僕、制作に深く携わって意見をくれる方と、一緒に仕事がしたいんです。
誤解を恐れずに言いますが、「デザインおまかせ」でオーダーをいただいてしまうと、「そこまでこの制作物に気持ちが入っていないんだな」とか、「それであれば、誰でも作れるような程度のものでいいんだな」と思ってしまって…。やる気もなくなってしまいます。

小林さんは、制作物に対してとてもこだわりを持って取り組む人だと知っていましたし、今回のコアバリューブックに対しては、今までにないくらいの思い入れと熱量だと感じたので、特にすごいものを創るんだ!ととてもワクワクしました。

そして、本格的に制作開始したのが、年明けの1月頃ですね。

スープレックス小林それまでは、全社員から意見を吸い上げたり、コアバリューブックプロジェクトメンバーで内容をまとめたりなど、本文を詰めていた期間でした。



―一番初めの打ち合わせでは、どのような話をされていたのですか?

大滝翼コアバリューブックはどんなものか、という話が主でした。中でも一番よく覚えているのが、「コアバリューブックは、朝礼で毎日皆見て、常に携帯するもの」だということですね。なので、耐久性があって、携帯できて、読みやすいもので、手帳サイズにしようという、大体の仕様はパッと浮かびました。

スープレックス小林僕もそこは考えが一致していたので、はじめから大まかなアウトプットのイメージはついていましたね。
ただ、実際のスケジュール調整や予算感、各所への承認など、細かな調整には苦労しましたね。デザイナー陣が盛り上がって「やろう!」となったものと、社内のメンバーが「こうしたい!」という、お互いの良い意見をうまく組み合わせる必要があって…。

大滝翼でも、小林くんのすごいところは、そういった制作チームの「こうしたほうがいい」という意見を、次に連絡をくれたときには通してくれているところなんです!
特に、企業で使用するモノを創るときって、デザイン部分の意見がなかなか通らなかったりします。もちろん、基本的には「使う目的」に沿ったうえでの提案なのですが、それがディレクションによっては、意図が伝わらないこともあるためです。それにも関わらず、小林くんに出した提案は、やりすぎなものを除いて大体採用してくれていて。

スープレックス小林コスト面やスケジュール面で中々採用が難しいようなアイデアもありましたが、「大切にし続けられる…」というコンセプトを実現するには、やるかやらないかだったら、もうやったほうがいいと思っていて。なので、大胆なアイデアも出来る限り取り入れるようにしていました。

大滝さんは清廉なグラフィックパターンや、レイアウト・タイポグラフィを得意とするデザイナーで、どちらかと言えば一般の方よりも、同業者やアーティストにモテるタイプ。その個性を取り入れつつも、一般の方が違和感なく触れるようにしたかったこともあって。

大滝翼やりとりの大半が、そのバランス調整と言っても過言じゃなかったですよね。笑



―完成までの壮絶な道のりが想像できました…では、そのこだわった点の詳細を伺えますでしょうか?

大滝翼まず使い込むものなので、「めくっている途中にバラバラになったり、汚れたりしないもの」にしたいということで、本を開く部分は角丸という点にこだわりました。
製本については、プリンティングディレクターの守田篤史さんにも参画していただきましたね。

コアバリューブック展示の様子

スープレックス小林コアバリューブックを入れる「ネクステージBOX」にもこだわりましたよね。元々は守田さんが加工サンプルとして作っていた「へそくり入れ」がアイデアのベースになっていて。

大滝翼僕が、何度か事務所に行ったときに「あ、これいいな」って気になってたんです。笑
で、打合せの中で提案してみることになって、ダメ元で小林さんに出してみました。

スープレックス小林一般的な箱は、一枚の紙を折って作られることが殆どです。しかし、紙を何層にも貼り合わせて箱としての機能と強度を保つには、高い裁断技術を要しますし、何より何枚も特殊印刷用紙を使う分、実用的なコストに落とし込むのも難しい。笑 
でも、何枚も紙が重ねあってできている、というイメージは、多種多様な事業やメンバーを抱えるネクステージグループのイメージにもぴったりだったんですよね。それに、社内で常に触れるものが、通常は一般使用を一切想定しない、コスト度外視の技術の塊であるっていうのも面白いかなと思って。


コアバリューブック

こだわりの1つである「ネクステージBOX」。コアバリューブック以外に、「ありがとうカード」や社員証、名刺が入るようになっている。


大滝翼提案した側ですけど「アリなんだ!」ってびっくりしました。笑
そして、色校正は、紙も踏まえて「この色は見えづらい」「もう何%マゼンタを足した色にしたい」など、1%単位での検証を、入稿ギリギリまで何度も重ねたりしました。あと、二版(2度に分けた印刷)にしたので、重ねる部分が1ミリのずれもないよう細かく調整したり…。笑

書体やサイズについても、合字したり色と同様に検証を重ねて、今ネクステージグループさんが所持している、統一感があって見やすいものにすることができました。

スープレックス小林本当に、全ての工程にこだわりましたね。笑
でも、それって、やりたくてもなかなかできなかったりするんです。予算やスケジュールの兼ね合いで、時としてどこかの工程に眼を瞑る必要があったりもしますし。

しかし、僕たちネクステージグループ社員を含む、制作に関わった全ての人たちが、「一切妥協をしない」という共通意識だったからこそ、1つひとつの工程にこだわって、きちんとメスを入れられました。
ただ、妥協しないという事は、あえていばらの道を行くとも言えるので、、大瀧さんに対して厳しい意見や厳しいやりとりが続いたこともありましたが…。笑

大滝翼表紙は何十パターンも検証をしましたよね。また、守田さんも製本面にこだわって色々なご意見をくださっていたので、そこで議論が続いたりもしました。一番議論したのはメモ帳のところですね。「何ミリ単位の点は一般的でない」とか、「この点の大きさが一番書き込みやすい」だとか…。笑
でも、大変だとは思いませんでしたね。こだわって創っている者同士の意見交換はやっぱり楽しかったです。



―制作中の、裏話・こぼれ話はありますでしょうか?

大滝翼実は、陰の功労者というか、コアバリューブックがこれだけいいものに仕上がったのって、イラストレーターの野嵜貴子さんの力が大きいんですよ。特に、10のコアバリューを木に例えて表現したイラストは感動しました。

スープレックス小林野嵜さんには、本当に助けられましたし、感謝ですね。抽象的なモチーフでも意図を汲み取って表現する能力が素晴らしく、また作業スピードも抜群に速いんです。

イラストレーターって、どちらかと言えば実在したり、モチーフとしてすでに存在しているような、具体的なものを描く場合が多いんですよ。ところが今回は、10のコアバリューという「概念」をイラストで表現していただくという、難易度の高いオーダーでした。抽象的であればあるほど、我々が想像しているものとアウトプットのイメージをすり合わせるのも難しいので、通常は何度かリテイクを重ねるんですけど。それを彼女は、早い段階から汲み取ってくれて、ノーリテイクで納品までいきましたね。


コアバリューブック

コアバリューを表した野嵜貴子さんのイラスト。鮮やかな特色2色印刷が眩しい。


大滝翼僕からも、テイストを注文したんですけど、それもすべて表現してくれました。人物が一定のサイズだとか、人物の服装だとか、単色で表現できるものにしてほしいだとか…結構色々伝えたんですけど。あと、野嵜さんのすごいところは、絵がぶれない。笑

スープレックス小林絵の統一も苦労しますからね。今回12、3枚ほど描いてもらったんですけど、世界観のつくり込みも表現豊かで、間違いなくコアバリューブックに色を添えてくれたと感じます。

あと、イラストはコアバリューブックを補完する存在でもあったので、そうした意味でも表現力に助けられましたね。
コアバリューブックの内容って、傍から見ると「意識高い系」と思われることもあるだろうと思っていました。つまり、人によっては取っつきにくい。なので、どなたでも手に取りやすくなるように、くどくなりすぎないバランスを取りたかったんです。



―イラストにはそのような意図もあったのですね!そして、ようやくコアバリューブックが完成しました。創り終えた感想はいかがですか?

大滝翼まずは「本当によかった!」ですかね。笑
ゴールが遠かった分、無事に良いものが完成して納品できたときの達成感はひとしおでした。あとは、ステップアップできたなという思いもあります。
こだわったところと多少重複するのですが、実際に工場にも伺って、細部まで「こうしてほしい」といったやりとりができたんです。
なかなか経験できないことを経験できたという点で、「ものづくり」のステップアップにもなったなぁと。

スープレックス小林誰でも真似できるものでなく、ネクステージグループらしいこだわりのあるものを創る事にチャレンジしたかったので、まずはそれができてうれしかったです。
熱量の高いメンバーがとことん追求してくれたことにも助けられました。

大滝翼本当に、今回の完成品は色んな人と環境が揃った奇跡ですよね。他で同じ依頼をいただいたとしても、もう同じものは創れないです!笑



―そのコアバリューブックが、現在「竹尾 青山見本帖店」に展示されています。実際に展示されたものをご覧になられていかがでしたか?

コアバリューブック

大滝翼今回携わってくれた皆さんに感謝したい!と一番に思いました。こんなに創り込める案件に携わらせていただく機会もそうないですし、今回の展示自体も、色んなめぐりあわせのお陰なので。

スープレックス小林ご褒美のようなものですよね。仕事をきちんと仕上げて、認めていただけた、という。

大滝翼まさにそうだと思います。あと、目に触れるようなところに展示してもらったのは、純粋にうれしかったですね。ちらほらお客さんが、コアバリューブックも見てくれているのを目の当たりにして「よっしゃ!」って。笑

スープレックス小林有名メーカーのパッケージなどが並ぶ中に、いち企業の社内ツールを並べていただけるのはありがたいことですね。



―ありがとうございます。最後に、コアバリューブックについて伝えたいことをお願いします。

大滝翼時代が変わっても残っている詩集などと同様に、コアバリューも、ネクステージグループにとっては不変の概念だと思うんですよね。だから、ずっと持っていてもらいたくて、「持っていて誇りに思える」本にしたいと思いました。そして、その思いで創ったのが、現在ネクステージグループ全員のお手元にあるものです。

また、汚れにも強く丈夫に仕上げたので、ぜひ皆さまには大切に使い込んでもらいたいです!

スープレックス小林これまでお話した制作の意図も踏まえて、コアバリューブックを読み返していただくのも面白いと思います。

大滝翼ネクステージグループ以外の皆さまにも、ぜひ「竹尾 青山見本帖店」でコアバリューブックの現物を見ていただきたいですね。







《Information》

■Fine paper, Fine work 展について

http://www.takeo.co.jp/news/detail/002447.html

■コアバリューブック展示期間

2018年10月1日~2018年10月31日

■「竹尾 青山見本帖店」店舗詳細

〒150-0002
東京都渋谷区渋谷4-2-5 プレイス青山1F
表参道駅(東京メトロ半蔵門線・銀座線・千代田線)B1出口徒歩8分

営業時間:11:00-19:00

定休日:土日祝


■大瀧翼さんへのお問合せ・お仕事の依頼先

contact●tsubasaohtaki.com

※●→@に変更しお送りください。

コメント

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。